シリーズケアをひらく特集
月60冊読む書評家が厳選!「ケアをひらく」シリーズで最初に読むべき3冊
こんにちは、ツンドクスタッフのるこです📚
今回は私の大好きなシリーズの深堀り回というなんともマニアック回になっています。
私は本を読むことが好きで月に60冊ほど本を読むのですがその中でも好きなジャンルが「ノンフィクション」「ケア」に関する本なのですが周りに「ケア」に関する本を読む人が本当に少ない…。私はもっと「ケア」の本の魅力を知ってほしい…!!!
ということでまず「ケア」に関する本を読む導入としておすすめなのがシリーズケアをひらく!この記事を読んだ後きっと読みたくなるはず…!
逝かない身体
川口有美子
言葉と動きを封じられたALS患者の意思は、身体から探るしかない。ロックトインシンドロームを経て亡くなった著者の母を支えたのは、「同情より人工呼吸器」「傾聴より身体の微調整」という即物的な身体ケアだった。 かつてない微細なレンズでケアの世界を写し取った著者は、重力に抗して生き続けた母の「植物的な生」を身体ごと肯定する。
私は小さい頃から本を読むのが好きなのですが学生時代は小説を中心に読んでいました。
「ケア」に関する本や「ノンフィクション」に出会ったのはここ数年なのですが、読んだ後に自分の考えをとことん突き詰められる感じがめちゃくちゃ面白いんです…。いままでは面白い小説を読んで、面白かった!で終わっていたけど「ケア」に関する本は自分の生活と地続きな感じがします。
ALS(簡単に言うと原因不明で体がだんだん動かなくなる病気。脳は元気だから考えたりはできるけど発病から3~5年で寝たきりになって具体的な治療法もない。)についても今まで知らなかったけど、この本を読んでそんな病気があるんだ…。と知りました。
『逝かない身体』は著者の川口さんが旦那さんの仕事の都合で小さい子供2人と海外に引っ越してすぐの頃に日本に住むお母さんがALSになり看病をすることになったという話です。
自分の生活で精いっぱいなのに、さっきも書いた通りALSは治療法がないし症状が確実に悪化していくのにも関わらず日本に戻って看病するというのが、タイトルの『逝かない身体』にすべて意味が込められているんです…。
もちろん大事な親だからそんな風に思っちゃいけないけど、親の看病の影響で自分の生活にも支障が出たり川口さんが1冊を通して本音で文章にしているところが、フィクションからでは得られないパワーだと思うし、「ケア」が全部きれいごとだけじゃないよなと感じます。
庭に埋めたものは掘り起こさなければならない
齋藤 美衣
壮大な勇気をもって「自分の傷」を見ようとした人の探求の書。自閉スペクトラム症により世界に馴染めない感覚をもつ著者。急性骨髄性白血病に罹患するも、病名が告知されなかったことで世界から締め出された感覚に。周囲の期待に応えて残る人生を終える予定だったが、白血病は寛解し、「生き残ってしまった」なかで始まる摂食障害と、繰り返し見る庭の夢。しかし、「もうそのやり方では通用しないよ」と告げに来るものが……。壮大な勇気をもって自分の「傷」を見ようとした人の探求の書。トラウマと回復についての示唆を与えてくれる。
私がケアをひらくが好きだと自覚したのはこの本がきっかけです。その前から知らない間にケアをひらくの本は何冊か読んでいたのですが、読み終わった後に誰が書いた本か、とかなんていうタイトルか、は見るけど出版社までは普通見ませんよね。ただこの本を読み終わった後にあまりにも良すぎて調べていたらいままでも「この本最高!」となっていた本が全部ケアをひらくだったんです(笑)
この本は齋藤さん自身が自分で抱えている弱い部分をこれでもかというくらいさらけ出している1冊です。映像などはなくて文章を読んでいるだけなのにこんなにももっていかれるような感覚になる本はなかなかないので自分の心に余裕があるときに読むのをおすすめします。(齋藤さんは最近もケアをひらくで新作を書かれていてそれもキレキレで良かった)
この本を読み終わった後にタイトルの『庭に埋めたものは掘り起こさなければならない』の意味がわかって痺れます。
居るのはつらいよ
東畑 開人
「ただ居るだけ」vs.「それでいいのか」京大出の心理学ハカセは悪戦苦闘の職探しの末、ようやく沖縄の精神科デイケア施設に職を得た。「セラピーをするんだ!」と勇躍飛び込んだそこは、あらゆる価値が反転するふしぎの国だった――。ケアとセラピーの価値について究極まで考え抜かれた本書は、同時に、人生の一時期を共に生きたメンバーさんやスタッフたちとの熱き友情物語でもあります。一言でいえば、涙あり笑いあり出血(!)ありの、大感動スペクタクル学術書!
ケアをひらくの中でもかなり読みやすいしめちゃくちゃおすすめな1冊です!
著者の東畑さんは臨床心理学者で普段はカウンセリングを仕事にしている人です。東畑さんは他にもたくさん本を書かれていてどれも読みやすくておすすめです。(私はこの本を読んだのをきっかけに東畑さんの他の作品も全部読みました)
この本は東畑さん自身が働き始めて最初の頃に沖縄のデイケアで働いていた時の話です。
「カウンセリング」と聞くと人の話に対してうまく答えを出したりするイメージがあるし実際東畑さん自身も来た人に対して「なにかいいこと言わなきゃ!」と思ってアドバイスをしたりすると相手とすれ違っていたみたいです。この本の中で出てきた言葉で、
「ただ、いる、だけ」はつらい。だって、「ただ、いる、だけ」の「ただ」と「だけ」は、そのような社会的価値を否定するメッセージを原理的に含んでいるからだ。社会復帰するとか、仕事をするとか、何かの役に立つとか、そういうことが難しくても、なお「いる」。それが「ただ、いる、だけ」だ。そういうことを超えて「いる」を肯定しようとする「ただ、いる、だけ」は、効率性とか生産性を求める会計の声とひどく相性が悪い。
おもしろい~~。私自身も大事な友達から相談をされた時に「なんかいいこと言わなきゃ」ってなるけどその言葉が相手にプレッシャーになったり。何も言わずに隣にいてくれるっていうのが1番相手を肯定する行為なのにそれをしてくれる人ってなかなか居ないしそういう人って偉大だよなあ。
本屋に行くとビジネス書や自己啓発本のコーナーで「話し方」「プレゼン力」みたいな本が押し出されて売られている中 「ケア」の本ってあくまでも「どう居るか」を深く探求 しているんですよ…。引き算の界隈…。面白すぎませんか…。
ケアをひらくが好きすぎて熱がこもった記事になりましたがいかがでしたか?📚
今回は特におすすめな3冊を選びましたが、ケアをひらくには他にも面白い本がたくさんあるので気になった方はぜひ見てみてください!私の今年の目標はケアをひらくの本を全部読むこと!!たのしみ!!読むぞ!!!